『残像に口紅を』著者 : 筒井康隆
既述のように、僕は漫画が好きです。
中学生の頃に読んだ「幽遊白書」や「めだかボックス」に、五十音から1つずつ文字が消えていくというゲームがありました。
何を隠そうそれらのゲームの元ネタとなったと言われているのが、この小説です。
この小説では、小説の進行と共に50音が失われていきます。50音が失われていくにつれて、小説の世界からその音を使って成り立っていたものも、消えていくのです。
例えば、50音から「つ」が消えると「つくえ」は発音出来なくなるため、「つくえ」というものが小説の中から消えます。そしてそれ以降の文書では「つ」という文字が出てくることら二度とありません。
使える音が減っていることを感じさせない作者の文章力、才能に感無量です。使える音が10音を切った時にどのような物語が展開していくのか読んでみて確かめて欲しいです。
ただ、僕のような文学初心者にはなかなか難易度の高い小説だったため、もっと小説を読んでレベルアップしてから再挑戦したいですね。